障害者生活就労対策推進研究会(SSSK)プログ

研究会の活動などについて紹介をしていきます。よろしくお願いいたします。

障害者雇用でありながら障害を抱える社員に仕事を教えて一定の成果を上げた事例を紹介!!

統合失調症を抱える精神障害者の27歳の男性Iは、株式会社Nに勤めて半年が経ちました。株式会社Nに勤める前は就労移行支援事業所に利用者として通所しておりました。

就労移行支援事業所の職員の定着支援のもと、男性Iは、無遅刻無欠勤で半年間の勤務を得て、社内の上司や先輩の信頼を得ていきました。

 

はじめはしっかりと勤務できるかと通勤できるのかと不安に思っていた男性Iさんでしたが、先輩の指導係がとても丁寧に教育していただきました。男性Iさんも、教育されたことは、メモに取り帰宅してから業務手順などの復習をしっかりしました。半年後には、自分なりに仕事の持ち場をできるようになり、積極的に行動して、先輩や上司の期待に応えるように努力していました。

 

ある日、職場の課長や部長から障害者雇用の新人の指導係を任されました。男性Iさんは障害者雇用であることから障害者の指導係を務めた経験が無かったので、新人教育での方法が全く分かりませんでした。パソコンでの検索で指導方法を調べることから始まり、先輩の教えられたことを業務手順としてまとめたりして新人の方に資料としてお渡しして、資料をもとに教えました。

 

障害を抱える新人の方が、出勤しなくなりました。どうやら風邪のようでしたが、男性Iさんは、自分の教え方が悪かったのではないかと考えて、上司に新人が出勤しない理由を聞きました。風邪だということですが、男性Iさんは納得いきませんでした。そこで、新人が出勤してきた際、日誌を含めたアンケートのような用紙を作成し、業務のわからないことがあれば教えてほしいことを書いてもらって参考にしました。面談による新人の心理的ケアにより、しっかり通勤できるようになりました。

 

男性Iさんは、障害者雇用が障害を抱える社員を指導係に就き、自分の精神状態も比較的に維持しながら、新人はしっかりと通勤し、継続して勤務できるようになり、言っての成果と実績が評価され、次の職場では、日本政府の中央省庁の国家公務員として採用されて活躍することになりました。

 

この障害者雇用の事例では、自分の精神的ケアの維持に勤めつつ、無遅刻無欠勤で評価されて、教えられた業務はしっかりと覚える努力を行い、上司や先輩に謙虚かつ信頼を大切にした結果、しっかりと業務ができるまでに成長しました。無遅刻無欠勤と業務を覚える姿勢を評価され、上司の信頼を得て、一つひとつの業務のメモを取って改善できるところを考えることにより、実行と改善を繰り返したことが、新人の指導係の業務に役立ったのだろうと推測できます。しかし、男性Iさんのすごいところは、新人が通勤をしなくなったときに、見捨てずにしっかりと面談を通して自分の改善するところを改善できたことにあります。

それにより先輩の仕事への姿勢が新人に伝わって、モチベーションの向上につながったのだろうと考えています。男性Iさんは家庭事情により退職をしましたが、次の就職活動では、特殊法人での障害者雇用の指導係を務め、しっかりと成果を上げた仕事への姿勢が評価されて、日本政府職員である国家公務員として勤務し、日本国民へのさらなる社会の貢献のために活躍することになるのでした。

 

いかがでしょうか。社会では障害を抱える方は、目の上のタンコブとして色々な差別や偏見が存在しますが、障害者もやればできるのだと証明にする事例ではありませんか。一般企業の障害者雇用の担当者の方々は、色々な不安があり、採用や指導の仕方に悩んだりすると思いますが、男性Iの事例を参考に、今一度、障害者への見方を考えていただけないでしょうか。よろしくお願いいたします。

 

 

f:id:sssk810:20211009150239j:plain

先輩と後輩